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2023年7-8月  グループ山行

雲ノ平・高天原・黒部源流域トレッキング

富山県・長野県・岐阜県

7月27日(木)〜8月3日(木)

 参加者5名  CL滝 史郎 SL三浦美雄子 中野正之 吉川明子 栗栖朋子

コースタイム・天候

【7月27日(木)】天気 晴午後一時雨
広島駅8:10⇒10:42名古屋11:43⇒14:14高山14:40⇒16:08中尾温泉星の鐘前=ペンションほのみ亭(泊)
【7月28日(金)】天気 晴午後一時雨
星の鐘前7:28⇒7:32新穂高温泉登山口7:50→9:10笠新道登山口→9:30わさび平小屋9:45→小池新道登山口10:10→11:35秩父沢出合→14:00シシウドヶ原→15:25鏡平山荘(泊)
【7月29日(土)】天気 晴一時曇り
鏡平山荘6:10→7:40弓折乗越7:55→9:40双六小屋10:25→13:35三俣乗越13:40→14:20三俣山荘(泊)
【7月30日(日)】天気 晴
三俣山荘5:45→6:40黒部源流の碑6:45→8:50岩苔乗越8:55→12:00水晶池12:33→13:37高天原山荘→15:20夢の平(竜晶池)15:30→15:40高天原温泉16:50→17:10高天原山荘(泊)
【7月31日(月)】天気 晴後曇り
高天原山荘5:50→7:12高天原峠7:22→8:25詩の原→10:50雲ノ平小屋12:40→13:05祖母岳13:55→14:25雲ノ平小屋(泊)
【8月1日(火)】天気 晴後曇り一時雨
雲ノ平山荘5:50→6:30スイス庭園6:37→7:38日本庭園(祖父岳分岐)7:46→9:35黒部源流渡渉点→10:55三俣山荘11:50→13:20三俣蓮華岳13:40→15:00双六・中道分岐15:05→16:35双六小屋(泊)
【8月2日(水)】天気 晴
双六小屋6:35→8:30弓折乗越→9:25鏡平山荘・鏡池10:11→13:13小池新道登山口13:19→13:40わさび平小屋14:25→15:37新穂高温泉登山口15:50⇒15:55中尾温泉ほのみ亭(泊)
【8月1日(月)】天気 晴一時曇り
ほのみ亭→中尾温泉星の鐘前9:25⇒10:54古い町並口12:30→高山駅13:35⇒16:09名古屋16:19⇒19:12広島駅

報 告 (感想)

【感想1】
7/26 日にちが近づいてくる
 今年の夏は殊のほかの猛暑で、思うように訓練山行も行うことが出来ずじまいで2回で終了したが、まあ牛田山に登っているので大丈夫と自分に言い聞かせた。
 まだ先のことと思っていたが出発の日を目前に控え、荷物の出し入れを繰り返し、やっとの思いで支度を整えて当日を迎えた。
7/27 ペンションほのみ亭
 広島駅〜名古屋〜飛騨高山からバスに乗りペンションほのみ亭に宿泊した。
 同所は「焼岳」の麓で約80度の源泉が引き込まれていて「湯の花」が多い温泉と芝付きの庭が自慢であり、旨い料理も勿論自慢であった。
7/28 鏡平山荘
 朝食を済ませ出発。新穂高センターを経ていよいよ雲ノ平への開始である。なだらかな舗装と非舗装が織りなす道路を1時間ほど行くと「わさび平小屋」に到着した。小池新道に差し掛かると、ガレ場の石段が途方もなく続き、途中「秩父沢出合」「シシウドヶ原」を通過して約1300メートル高度を上げた。途中、行動食で昼食を摂った。最初はすれ違う登山客に「こんにちは、譲ってもらいありがとう」などの声を掛けていたが、それも高度が上がりきつくなり「ハアハア」とふらふらになり、歩を進めるのが精一杯であった。怪しい雲に雷が鳴りだし雨衣を着て小池新道を登った。やがて、道は木道になり滝リーダーに「もう少しで山小屋である」と勇気づける言葉を頂くが、そこからが長いこと、8時間を要して鏡平山荘に15:21予定通り到着した。
7/29 三俣山荘
 4:00に起床し身支度を整え、6:00時鏡平山荘を出発した。休憩後の7:00頃私がきつくなり女性3人に荷物の一部を渡す羽目となったが、我ながら不甲斐なさを痛感!そこから双六小屋に寄り、おでんやミルクを食し元気を貰う。やっとの思いで三俣山荘に14:20到着した。
7/30 高天原山荘
 5:50三俣山荘を出発した。約1時間で黒部川源流の碑に至り休憩を取った。8:48岩苔乗越(いわごけのっこし)標高2731m。その先で不覚にも私が、伸びたダケカンバの下を歩行中足がふらつき転倒し左足の向う脛を打撲したが、カットテープで済んだ。続いて「水晶池」に向かうも、池は温暖化で干上がり残念であった。池のほとりで同行女性が準備した「アルファ米」を頂くがその美味しさに驚く。13:37高天原山荘に到着。 直ぐに水量豊かな水で石鹸を使わずにシャツ等も水洗いを行う。
 サブザックで温泉を通り越し、夢の平(竜晶池)に15:20到着した。そこは池に水があったのでホッとした。
 温泉は硫黄の臭いがきつく湯ノ花の多い男女別々の囲いのある湯船に浸かる。この他にも川の中には露天風呂があり混浴であった。汗をかかないようにゆっくりと帰り17:45夕食のビールの美味しいこと。疲れはピークを脱しやや山歩きに慣れだしたということか?
7/31 雲ノ平山荘
 高天原山荘を少し早めの5:50に出発し、高天原峠7:13、詩ノ原8:30に到着した。その時には急勾配の崖に近い箇所を上り下りし雲ノ平に10:50死ぬ思いで辿り着いた。前言は撤回する。「雲ノ平は最後の楽園」であると聞いていたので、平坦な秘境と勝手に解釈して「ルンルン気分」で行けると思っていたが、大きな間違いであることにようやく気付いた。自宅で作成したポスターを前に東京の若い女性グループにシャッターをお願いしたところ、自分たちも同じポスターで記念写真を撮ってくれとせがまれたのが嬉しかった。
 今度もサブザックで祖母岳(ばあだけ)の木道を通り、頂上に着いた。後で夕食後山荘の主人から聞いたら、今年は残雪も少なくお花はいつもより一ヶ月も早く散り、ハクサンイチゲやクロユリ、チングルマの見頃は過ぎていた。山荘にて仙台から来た同年代の三人連れと話が弾み、写真を撮りあった。雲ノ平山荘での部屋は「ハクサンイチゲ」という部屋だった。
8/1 双六小屋
 今朝も前日と同じ5:50雲ノ平山荘出発である。私は良く分からないが、チングルマ・オトギリソウ・コバイケイソウ・ウサギギク・トモエシオガマ・アカモノ・イワオオギ・ハクサンフウロ等の高山植物が咲いている。スイス庭園を見て祖父岳(じいだけ)分岐を経て黒部川源流建設省の碑を9:48。
 三俣峠12:30、三俣蓮華岳13:25〜13:40。そこでたまたま居合わせた登山客にシャッターをお願いした。同所から少し下った双六岳分岐で15:00頃湧き上がった雲は雨に変わり雨衣着るがたいしたことは無かった。一路双六小屋を目指し16:35に到着した。
 小屋はなにかにつけて整備されていた。例えばトイレは洋式でペーパーも流すことOKであったのには驚いた。山小屋は今夕が最後となり、明日の下山は小池新道が待ているため、ペンションまでは気が抜けないと気を引き締めた。
8/2 わさび平小屋〜ペンションほのみ亭
 今日8月2日は最終日で双六小屋を少し遅く6:35に出発した。疲れはピークである。弓折乗越(ゆみおりのっこし)を8:30。途中幸運にも子育て中の「ライチョウ」に二度遭遇した。鏡平山荘には9:30到着した。鏡平山荘名物はカキ氷である。汗がしたたり落ちる中食べるのであるからその美味しいこと。小池新道登山口まで下ったのは13:14であった。やがてわさび平小屋へと続く長道を歩き、同所には果物が水に冷やしてある有名な小屋で、今回の山歩きは最終日であるから少々高めのスイカを食す。スイカは1/8で900円。なかなかのボリュームで、心は一瞬にして桃源郷へと飛び立った。
 18:45新穂高センターまで、ほのみ亭の主人が車で迎えに来てもらい大助かりであった。
 北アルプスは18度位であるが、汗でびっしょりと濡れた洗濯物は、乾燥室で乾かしたまま明日またそれを着る繰り返しであり、ゆっくり浸かる温泉は格別で嬉しかった。18:30夕食が始まり飛騨牛にビールで乾杯し、頑張った山旅の辛苦が洗い流される思いであった。
8/3 飛騨高山観光
 行き帰りにお世話になったほのみ亭に別れを告げバスに乗る。飛騨高山は、蕎麦と地酒の産地である。観光客でごった返す中、昼食は蕎麦を頂きみんなで地酒も分け合う。「氷室」という辛口の日本酒であるが口に含むとその豊潤さに驚いた。食事と買い物を終え帰広した。
おわりに
 雲ノ平の印象と私の感覚には大きなズレが生じていたが、貴重な体験を得た。辛かった小池新道が良き思いである。もうアルプスに挑戦することは無いと思われるが、毎回山旅を終えて一歩一歩の積み重ねの大切さを思い知らされる。
 最後に、この山行は有志とは言えリーダーの滝さんには、計画書作成から切符の手配、山小屋の申し込み、山の経路案内・登下山報告と何から何までお世話になりお陰で我々は楽しい山旅が満喫できました。本当にありがとうございました。

(記 中野)


【感想2】
 行きたかった雲ノ平、諦めかけていた雲ノ平、行こうと言ってくれた人たちがいたので実現しました。遠いところ、どんなルートなら可能か、上りも下りも弱くなっているのでピークを避けるようにしました。メンバーのパワーに助けられ、天気にも恵まれて北アルプス最奥部の雄大で自然の残る山域をのんびり歩くことができました。
 山小屋はどこもそれぞれの考え方で工夫されていて快適でした。滞在するのも贅沢な過ごし方と思いました。雲ノ平周辺は無数の池塘が広がり、木道の整備など山小屋関係者の大変な努力をあらためて感じました。

(記 滝)


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距離と標高


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